2011年5月10日火曜日

酸素ボンベ?!

今日は、“ゆふ”の話題ではなくダイビングのお話。
最近は、ダイビングをご無沙汰してしまっているのでネタに困ります。“しくみ”の話にしましょう。

私がダイビングをすることを知った知人から良く聞かれる質問に
「あの“酸素ボンベ”ってどれくらい水中に居られるの?」
というものがあります。

これは質問内容が間違っていて、私も答えるのに苦労するのですが…
まず、“酸素ボンベ”とはおそらく下の写真のことを言っているのでしょう!

タンク置場
一般的にはダイバーが背中に背負って、そこから伸びるレギュレータを加えて呼吸します。
これには、“酸素”ではなく“空気”が入っています。
ダイビングの種類によっては、タンク中の酸素濃度を高くした“ナイトロックス”“エンリッチドエア”というものもありますが、酸素100%の酸素ボンベはダイビングでは使用しません。

もうひとつ「どれぐらい水中に居られるの?」

ダイバーが水中に留まることが出来る時間は2つの要素で決まります。
①、タンクの残量:呼吸可能エアーの残存量
②、減圧症:体内に取込む窒素の量

おそらく質問者は①のことを言っているのでしょう。
言いかえれば「1本のタンクでどれくらいの時間呼吸ができるの?」

答は、「水深と個人差によって変わる」のです。
まず、タンクの中にはどれくらいの空気が入っているのでしょう?
タンクの容量は大きさによって決まり、一般的には10L~15L程度です。10Lタンクがもっとも多いのではないでしょうか。
人間の肺活量は2L~6L。深呼吸2回~5回分です。う~、変?
そうです。タンクには圧縮空気が入っています。大体150~200気圧です。
仮に10Lタンクに200気圧の空気が入っている場合、1気圧に換算して2,000Lとなりますので、陸上では深呼吸500回分(肺活量を4Lとしました)。
ところが、水深10mでは250回分に減ってしまいます。
これは水深とともに増える水圧(10mにつき1気圧)によって、肺の中も水圧と同じ圧力になり、それを満たすにはより多くの空気が必要になるからです。言いかえれば、水圧によって縮んでしまった空気を吸うことになるからです。
水深10mの周囲圧は 大気圧(1)+水圧(1)=2気圧
ですので、4Lの肺を満たす為には1気圧に換算すると8Lの空気が必要になります。
空気は縮む物です。ですから10Lのタンク容積に2000Lもの空気を充填できるのですが、水中で呼吸するときにも周囲圧によって縮んだ空気を吸っています。
つまりダイバーの1呼吸を1気圧換算すると、周囲圧によってその量が変わります。
10mで8Lなら20mでは12L、30mでは16Lの大気圧換算空気を消費します。

ですので、水深が深くなれば、タンクの中身はあっという間に空になり、浅い水深であればいつまでも豊富に残っています。

“どれくらい”を式で表現すると

【タンク容積】×【使用可能圧力】÷(1+【平均潜水深度】÷10)÷【空気消費率】となります。

平均潜水深度とは、1ダイビング中の平均水深です。
空気消費率とは、1分間あたり消費する空気の量(陸上換算)です。
ベテランダイバーで10L/分程度でしょうか?初心者ですと20L/分とか30L/分を消費します。

タンク容積:10L
使用可能圧力:150気圧(50気圧は予備です。)
平均潜水深度:12m
空気消費率:10L/分
10×150÷(1+12÷10)÷10=68分

平均潜水深度を15mにすると 60分になります。
初心者として消費率を20Lとすると 34分となります。

我々夫婦で潜るときは1時間が目安でしょうか!

次回は、タンクと口をつなぐ命の架け橋、“レギュレータのしくみ”を予定しています。

マブール島DSのマスコット犬(当時)



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